「ひ、広い!」
「超高そう…」
私達は聖剛さんが予約してくれた部屋へとやって来たんだけど、その豪華な造りに絶句だった。
多分ここ、スイートルームってやつだよ。
「また明日」と言って、和弥と聖剛さんは自分達の部屋へと戻って行った。
「凛、和弥先輩と一緒じゃなくて良かったの?」
ベッドに寝転がりながら、夏帆がとんでもないことを言い出した。
「なっ!?無理!絶対無理!心臓止まるっ!」
「心臓ってあんた……。…まぁ先輩は凛と二人が良かっただろうけどねー」
「まっ!…んなわけあるかぁっ!!」
「あーあ、凛いじめるの楽しーい」
「~~~っ……寝る!」
いつもは私がみんなを弄るのに、自分がその立場になるとは思わなかった。
一日中遊び回った体は、けっこう疲れていたらしく、私達はすぐに眠りについた。
翌朝、夏帆と聖剛さんの目の前なのに、和弥はかまわずキスをしてきて。
真っ赤になった私は、夏帆に加えて聖剛さんからも弄られるはめになった。
そんな日々はあっという間で、私のいつもと違う夏休みは終わりを迎えた。


