今度は勢いよく立ち上がった生嶋。
夕日に照らされたせいか、少し赤いように見える生嶋の顔を、私は不思議に見つめた。
「とりあえず…行くか。祭会場」
「じゃあ、たこ焼きおごってね」
「……はいはい」
祭会場が近づくにつれて、段々と賑やかな空間に引き込まれていく。
ゆっくりと私のペースに合わせて歩いてくれる生嶋の優しさを感じながら、私はキョロキョロと露店を見まわした。
「村上、祭久しぶりなの?」
「んー…久しぶりってか、去年は行かなかったから」
「そうなんだ」
「去年の今頃……多分喧嘩してたかな~?」
本当は、去年の今頃は亜由美のことで、私は少し荒れていた。
喧嘩してたわけじゃないけど、とにかくむしゃくしゃして、祭なんて行く気にならなくて。
夜な夜なバイクで走り回ってた記憶がある。


