トリプルトラブル【完】

 どうしても諦めきない大は、二人を引きずって駆けつけた。

美紀の前に跪き再度手を差し伸べプロポーズをする。


「美紀ちゃんー。お願いだー!!」


「どうか、俺達を見捨てないでくれー!!」


「お母さんなんて、呼べる訳がないよー!!」

みっともない程足掻き、拝み倒そうとする三人。


「ありがとう秀ニイ。ママのラケットを遺してくれて……優しさをありがとう」

その言葉を聞いて、秀樹は固まった。


(――やっぱり!?
知っていたのか?)

何時も明るく振る舞っていた美紀。
その陰で涙を拭う美紀を秀樹は想像していた。


「ありがとう直ニイ。私を甲子園に連れて行ってくれて……思いやりをありがとう」


(――いや、美紀。
それを言うのは俺達の方だよ)

美紀が何時も傍にいてくれたからホームランが打てたんだと直樹は思っていた。


「ありがとう大君。アナタがいたから楽しいかった……心遣いをありがとう」


(――そう思うなら、この結婚待ってほしい)

そう、大はまだ諦めてはいなかった。