トリプルトラブル【完】

 祖父のエスコートで、一歩一歩祭壇に近づく美紀。


「待ったー。その結婚待ったー!!」

それでも駆けつける三人。

その姿を見て、沙耶も歩みを進めた。


(――ちょっと待った!

――自分も行きたい。

――正樹の元へ行きたい!

――素直に好きだと言いたい)


でも……
沙耶は躊躇った。


美紀の中で……
結城智恵が……
長尾珠希が……


微笑んで居るのが見えたからだった。


(――お姉さん……)

沙耶は又しても、壮大な珠希の正樹を思う心に折れたのだった。


でも屈辱ではない。
清々しい負けだった。


「美紀ちゃんー!」
沙耶は思いっ切り大きな声を掛けた。


「幸せになってね!!」

そう叫びながら、沙耶はいつの間にか微笑んでいた。

姪を嫁がせる叔母の心境になって。