トリプルトラブル【完】

 この三人のタキシードには訳があった。
卒業式の後……
それぞれの思いを告白するために、準備していた物だった。

そう……
これがある事情だった。

三人からの正式なプロポーズになるはずだったのだ。


(――俺達の中から決めて貰おう。

――誰が選ばれても恨みっこなし)

そんな思いが交錯する。




でも……
ウエディングドレス姿の美紀を見た時、三人は固まった。


その幸せ溢れた表情は、正樹への愛を貫いた珠希そのものだったから。


(――ママみたいだ……)

秀樹は思う。


(――ママ……此処にいたの?)

直樹は思う。


それでも行く。




「ちょっと待った!」


「その結婚待った!」


三人は祖父にエスコートされて、正樹の元へ向かおうとしている美紀の足元へもう一度駆けつけた。