いじわるだけど好きな人


私は何故か胸が痛くてたまらなかった。


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朝食が終わって、8時になると、3年生はみんな観光に行くため、最初集まる。

先輩がドアの前で立ち止まり、私を見ずに言った。

「…メールアドレス、教えろ。お前…俺等いないとき一人で暇だろ。」

相手してやる、ということだろうか。

気まずかったのに、先輩のその言葉に喜んでいる自分がいる。



「じゃ、メールする」

そう言って、ドアを開けて行ってしまった。