「……いい天気だ。」


僕は、リビングで大きく伸びをしながらそう呟いた。


軽く体操をしてから、いつもの散歩。


散歩の時間は、いつも残りの原稿枚数を忘れられるから大好きだ。


街をなんとなく歩く。まだ朝早いせいか、ちらほらとしか人はいない。


「……ん?」


ふと、通りの隅に目を向けると古ぼけた古本屋があった。


「こんな所に古本屋……?珍しいな。」


ネタ探しの意味も込めて、僕はどことなくその古本屋に吸い込まれるように足を踏み入れた。