すきなひと



あのシャー芯、
なにがいいのかわからないけど、
なんか使いやすいんだよな。


あ、俺のシャー芯あげればいいのか。
じゃあここ用ないや。


「とりあえず出るか。」

挙動不審な彩希の腕を引っ張って
そのまま店の外に連れて行った。


「シャー芯ないと
 これから勉強できないじゃん。」

「違うやつ買いたくないんだろ?
 だから今日は俺の使えよ。
 おれシャーペンの中に
 何本も入ってるから
 今日ぐらい大丈夫だから。」


かばんから筆箱を取り出し
シャーペンの芯入れごと
彩希の制服のポケットにいれてやった。


少しぽかんとしていたが
状況が理解できた様子。

「ありがとう。」


「いいんだよ、こんくらい。」


こんくらいたいしたことじゃないし。