水晶の涙




「…あっ、っと僕、お邪魔かな?」


そこに居たのは

白衣を着ていて、背の高い
クリーム色に近い茶色の髪が印象的な男の人


その人は、
私とカイ君を見た瞬間

直ぐに体の向きを180度回転させ、保健室から出ようとした


「『……あ。』」


その理由は


「ちょっ…誤解だ!」


『わ、私達は何も…!』


私とカイ君の体制にあった


カイ君は、私の前から完全に退いてなくって…

…その体制が保健室から出ようとする男の人に、もの凄い誤解をさせてしまったんだと思う


「僕は職員室でゆっくりするから、気にしなくていいよー?…保健室で君達が何をしようが、僕には関係ないし…」


「『それが誤解なんだ(です)ってば!!』」




…私とカイ君の叫びは暫くの間、廊下という廊下に響き渡っていたとさ