水晶の涙




『頑張れーっ!』


「――…?」

「―――」

「――!」


私の声に合わせて、皆も自分なりの声を出してる


「…――」
〈…頑張る〉


慣れない犬のぬいぐるみの中で、一生懸命に立ち上がろうとしている姿


悪魔の、こんな可愛い姿を見て、ルシルちゃん達はこの子達を、怖がるだろうか

カイ君も、どう思うんだろう


悪、敵、恐怖、負

こんなレッテルなんて
無くなっちゃうんじゃないかな?


そんな事を考えながら、私も皆も、必死に応援を続けていた


「――…」


『頑張れ!あとちょっと!』

前足が真っ直ぐに伸び、後は後ろ足だけ…!

応援にも何だか、熱が入ってきた


…そんな時に







「…アリア?」


聞こえた

聞き覚えのある、男の子の

声が