水晶の涙




『くぅちゃん、今日ね…新しいお友達を連れて来たんだっ』


「クル、クルゥ?」


「――…」

〈くぅ、ちゃん…〉


『ね、貴方にプレゼント!』


寮に戻った時に持ってきた'もの'


〈あお色、みず色、しろ色、〉


青色と水色と白色を使った、チェックのパッチワークで出来てる

犬のぬいぐるみ


作り掛けだったぬいぐるみを、「折角だったら、あげちゃえ!」…っと思って至急作ったんだけど…


『どうかな…?』


「…――、―」


ぬいぐるみを差し出すと、それを暫くジッと見つめて動かなかった

そして


〈ありがとう〉


小さく、黒くて丸かった体は霧状になり、ぬいぐるみの背中の部分から中に入っていく


その時、一瞬ぬいぐるみの目が赤黒く光った様な気がした