水晶の涙




『…くぅちゃーん…しぃちゃーん…』


前来た時と同じ凸凹道を何時もと同様、ソローリ…と歩いてく

森の中は、やっぱり薄暗い


『くぅちゃーん、しぃちゃーん…何処ぉー…?』


ゆっくりと、奥へと進んで行く

進む連れに聞こえてくるのは


「…――」


「――!」

悪魔達の、鳴き声


〈…同胞が、居る〉

ふわり、私の手の上から飛ぶと目の前をウロウロと動きだした


『くぅちゃん達、きっと貴方と仲良くしてくれるからっ』


〈くぅ、ちゃん?〉


目の前の悪魔が、首を傾げる様に体を斜めに動かした

調度その時


ペキッ

「…クルゥ!」


『くぅちゃん!』


小枝が折れたと同時に聞こえた、久々のくぅちゃんの声

くぅちゃんは茂みからひょっこりと頭を出していた