水晶の涙




「…そろそろだな。」


やっとの事で、掲示板の前の人だかりが10人程になった頃


「じゃ、見に行―――」


カイ君が言い終わる前に
それは私を


ズシッ


「おー!カイじゃん!?何でここに居んの?」

…押し潰した


否…正確に言えば
私の後ろから突然、覆いかぶさった


「お前、見ない間に背が伸びたか?ってか、この美少女とどんな関係?もしやの彼女?」


頭の上から聞こえる、男の子の明る声はカイ君の事を知ってるみたい

…けど


「…誰だ?お前…」


「俺だよ!ルイ!小学生時代によく遊んでたじゃん!」


「…知らね。」

…カイ君、覚えてないみたい


ルイ、と名乗った男の子は、「まさかの覚えてないーっ」と歎いていた

…私の頭の上で