水晶の涙




悪魔に憑かれた人間


『…あ…あはは…』


…私は、また

悪魔に憑かれた人間と
言われてしまった


『……』


「…アリア?」


私の異変に気がついたのか、カイ君が私の肩を掴もうてした

けど


『…触んないで…』


パシリとその手を弱々しく叩き、ふらふらと教室の外へと向かう

その間にも、
後ろから聞こえてくる声


「…悪魔に憑かれた人間。」


「気持ち悪い。」


「この教室から出てけ!」


耳を塞ぎたかった

俯いて、下唇を思いっきり噛み締めた


「…化け物。」


『……ッ』


化け物

誰が言ったのかは解らない、最後に聞こえた言葉と同時に教室の外へと飛び出した


「アリアッ!!」


カイ君の声が聞こえたけど、目をギュッと瞑って、そのまま走り続けた