水晶の涙




「この子は、私を迎えに来たんです。…邪魔しないで下さい。…ってね。」


『……!』


嫌な汗が、背中に流れた

レン君の言葉に、私やカイ君は固まる

周りに居た他の生徒達は、レン君の言葉と同時に、さっき以上に私をジトリと見た


「運動場から逃げ遅れていた生徒が、偶然にこれを耳にしたんだよ。」


そんな事…私は言ってないのに

勝手に口が動いて、
そんな事を言ったんだ

…私の意思じゃないのに


『何、で…?』


「何で?そんな事、考えてみれば解るだろ。君の発言は、この学校の皆に誤解を招く様な発言をしたって事だよ。」


『誤解…?』


眉を潜めて首を傾げると、レン君は私に近づき、小さく耳打ちをした


「悪魔に憑かれた人間、って言う誤解を、ね…。」