その時、“お母さん”の声がした。

「・・・。返事して…」

誰の名前を呼んでるの?

なんて言ってるの?

ただそれが知りたくて、

お母さんの声に私は全神経を集中させる。

お母さんが呼んでいたのは、

私の名前だった。



  ―――お母さん!―――