「部活が忙しいのもあるけど、一緒にどっか行ったりできないから、これ持ってて」 そー言うと、先輩はポケットから鍵を取り出して、リングから外すとあたしの手の上にのせた。 「…」 あたしはびっくりしすぎて先輩の顔を見ることしかできなかった。 そんなあたしを見てクスっと笑うと 「二ノ宮が時間ある日にいつでも来て?駅前のマンションだから」 とあたしの頭を撫でながら言った。 「あの…ご両親は一緒に暮らしてないんですか?」 時間ある日ってそんなノコノコ行けないよ。