ベンチに座っていた私の目には涙が浮かんでいた。
今までのあきら君とのことを思い出していると、涙が止まらなくなっていた。
「遅くなってごめん。美琴と電話してた」
制服姿のあきら君が走って公園に来た。
「何、泣いてんだよ。しっかりしろ」
いつものように頭を叩く。
今まで何度も見ていた制服姿なのに。
久しぶりに見ると新鮮・・・・・・
「美琴ちゃんに私と会うこと話した?」
「俺と美琴のことはお前に関係ねーだろ」
冷たくそう言った後に、ニヤっと笑った。
「で、抱かれたか?」
「もう、そればっかり!!」
「片桐さん、案外慎重なんだな。てっきりその日にヤってると思ったけど」
大事にしてくれてるんだよね。
片桐さんは相手が私じゃなかったら、この前のデートでホテルに行っていたのかもしれない。
経験のない処女の私だから・・・・・・我慢してくれた。
エッチがしたくて付き合うわけじゃないって言ってくれたもんね。
「片桐さんと付き合えたのに、なんで俺に会いたいわけ?」
腕組みをしたあきら君が私を見下すように前に立つ。

