『明日のバイト終わりに会える?公園で待ってて。夕方6時』
「わかった。ごめんね。美琴ちゃんに悪いよね」
『美琴のことは俺の問題だから気にすんな。バレないようにするから』
美琴ちゃんに悪いと言いながら、あきら君に連絡するなんて・・・・・・
私、自分で自分が嫌いになりそうだよ。
次の日の夕方。
公園であきら君を待ちながら、片桐さんからのメールを読み返す。
大丈夫、私は片桐さんが好きなんだ。
そんな風に自分に言い聞かせているようだった。
【おはよう。今日も遅くなるから会えない。早く会いたいな】
【今日の昼飯は牛丼!】
【眠い~優海~】
私はずっと片桐さんだけを想ってきた。
他の誰を見てもときめかなかったし、今までも他の人は好きになれなかった。
無理して好きになろうとしてもだめで・・・・・・
付き合ってもすぐに限界が来て・・・・・・
そんな繰り返しで。
そんなときにあきら君に出会って・・・・・・
“片桐さんと付き合えるまで応援してやる”
なんて言ってくれてさ。
“あきらめんな。最後まで頑張れ”っていつも言ってくれた。
そのおかげで、一途に片桐さんを想うことに決めた。
他の誰かを好きになろうとすることをやめた。
片思いでもいいから、ずっと好きな人を想っていたいと。
そうすると、とても心が軽くなって、毎日が楽しくなった。
無理していない自分は、とても幸せに満ちていた。
片桐さんに近付いては離れ、離れては近付いて・・・・・・
みゆきさんっていう存在を知って、落ち込んで。
でも、あきら君はあきらめたら終わりだって言ってくれた。
可能性がゼロだとは思わないと言ってくれたんだよね。

