「急がないと閉園になっちゃうな。ほら、走るぞ」
片桐さんは私の手を繋いだまま、走り出す。
どこへ行くんだろう、と思っていると・・・・・・
「間に合った。乗ろうぜ」
観覧車の前・・・・・・
「片桐さん・・・・・・」
私の気持ち、わかってくれてたんだ。
観覧車に乗りたいっていう願いがちゃんと届いていたんだね。
優しいな、片桐さん。
また好きになっちゃうよ。
いいの?
これ以上好きになっても・・・・・・
「観覧車なんて、何年ぶりだろうな」
片桐さんと私は向かい合って座った。
こんな密室にふたりきり。
しかも、こんなに綺麗な夜景を見ながら・・・・・・

