「30分しかないからあんまり乗れないけど、何乗る?」
「観覧車!!」
と言った後に、しまったと思った。
観覧車は、カップルが乗る乗り物だった。
「あ、やっぱりメリーゴーランドが良い。観覧車は怖いから乗らなくていい!!」
と必死に誤魔化してみるけど、片桐さんは観覧車の方をじっと見つめていた。
「そっか。じゃ、メリーゴーランドにしようか」
片桐さんは素直にメリーゴーランドに乗ってくれた。
かぼちゃの馬車は2人乗りだった。
でも、恥ずかしくて・・・・・・
ひとりで大きな茶色い馬に乗った。
「片桐さんは、白い馬に乗って欲しいな」
「え~!恥ずかしいよ。俺、これで良いよ」
と馬車を指差した。
「だめだめ!!片桐さんは白馬に乗った王子様って感じだから、これに乗って」
「はいはい、わかったよ。でも、誰にも言うなよっ!」
片桐さんは、ヒョイっと白い馬にまたがった。
本当に、白い馬が似合う。
王子様みたい。

