「優海・・・・・・それ、本気で言ってんのか」
「うん。言うつもりはなかったの。でも、あきら君があそこまで真剣に応援してくれてたから。素直になりたいなって思った」
涙が溢れてきた。
これは間違いなく嬉し涙。
やっと言えた。
やっと素直になれた。
それが嬉しいんだ。
「中学1年の時に気付いたんだ。片桐さんのことが好きって。それから、ずっと・・・・・・片桐さんのこと忘れられなくて」
あの夕暮れの空。
“大きくなったら俺のお嫁さんにしてやるよ”
あの言葉にどれだけ救われただろう。
でも、バカな私はまんまとその冗談を信じてしまった。
「ごめん。本当にごめん。俺、全然知らなかった。お兄ちゃんみたいな存在だって思ってた。お兄ちゃんとして好きでいてくれてると思ってた」
片桐さんは頼れるお兄ちゃんでもあり、憧れの男性だった。
思い出すと、涙が止まらない。
片桐さんが私に微笑んでくれるたびに胸がキュンとした。
中学生の私の日記帳には、片桐さんのことばかり書いてあったっけ。

