「片桐さんは、この数カ月・・・・・・どうしてたの?」
みゆきさんとどうなったの、と聞くことはできなかった。
「お前が、将来の為に勉強を始めたってマスターから聞いて、驚いたよ。俺も実は・・・・・・また勉強を始めたんだ。今の仕事も辞めることにした。来月から、別の所で働くんだ」
夜なのに目がキラキラしているのがわかる。
もしかして・・・・・・
「絵の関係の仕事??」
「はは、さすが優海!そうなんだよ。背中を押してくれたのはお前なんだよ!!」
大学時代の恩師の紹介で、ある小さな会社に就職が決まったんだって。
お給料は今の半分以下になるらしいんだけど、片桐さんにとっては夢の第一歩。
「最初の仕事は、レストランの壁に絵を描くんだぜ!すげーだろ」
本当に嬉しそうだった。
大学時代に、夢を語っていた頃の片桐さんだ。

