ハニートースト ~カフェで恋したあなた~







「俺は、好きなら正直に好きだと言えと言ったんだ。あきらは、好きだと言ったらアイツが悩むだけなんですって。俺だったら、絶対に告白しちゃうけどな」





あきら君は、誰よりも私のことを考えていてくれたんだ。




私が、片桐さんに恋をし続けられるように、影で支えてくれていた。







「無理して彼女作ったんだろうけど、それもあきらの生き方なんだろうな」




片桐さんは遠い目をしてそう言った後に、私の方を見た。






「あきらのこと、忘れんなよ。お前のこと、愛してくれたんだから」





「忘れない。絶対に忘れることなんてできない・・・・・・」






忘れたくても忘れられないよ。




人生で初めてだもん。



そこまで私を愛してくれた男の人は。







「妬けるなぁ、そんなこと言われると。へへ」





相変わらず片桐さんは鈍感だった。




そんな思わせぶりなことを言って、私の胸をドキドキさせちゃうんだもん。