「優海としては、どっちが良かった?あきら君が片桐さんに何も言わなかったら、今もあんたにいろいろ相談してたはずだよね、片桐さん。それも辛いけど、こんな風に避けられるのも辛いよね」
どっちが良かったのか。
それは考えないようにしていた。
だって、あきら君は私の為に片桐さんに話してくれたんだから。
「やっぱり会いたいな」
あきら君の好意は嬉しいけど、やっぱり本音は・・・・・・
どんな形でも片桐さんのそばにいたかった。
何も話してくれなくなるなんて、寂しい。
「あきら、本気であんたのこと好きだったんだね。惜しいことしたよね」
「良い子だよね、あきら君。だけど、あきら君に逃げることは、あきら君にも失礼だもん。それに今はもう・・・・・・美琴ちゃんの彼氏だし」
今もしも、あきら君がそばにいたら・・・・・・
片桐さんに会えない寂しい気持ちを聞いてくれるんだろうな。
あきら君もいない、片桐さんもいない・・・・・・
そんな毎日はとても退屈だった。

