中学1年の小娘にあんなセリフを言った罪は大きいよ。
だから、ずっと・・・・・・あきらめてやんない。
ずっとしつこく好きでいてやるから。
「あきら、このアイス少なくね?」
ハニートーストいちごアイス乗せを運んできたあきら君に片桐さんがそう言うと
「これで少ないって言われちゃうと、俺の時給また減っちゃいます」
とあきら君はかわいい笑顔で去って行った。
「アイツ、相変わらず生意気だけどかわいいな」
「そう?生意気だよ!黙ってるとかわいいのに」
プーっと頬を膨らませた私を見て、片桐さんは笑った。
その笑顔には、私への愛情が感じられたけど、その愛情ってのは、恋愛感情とかじゃない。
妹とか、ペットとかそういう類い。
かわいいって思ってはくれてるけど、たったの一度だって“女”として見てくれたことはないと思う。
前髪パッツンのおさげ頭の中1少女を知っているから、無理はないけど。
「仕事毎日遅いの?片桐さん」
「だいたい家に帰るのは9時くらいかな。で、ひとりで酒飲んで、絵を描いて、そのまま寝る。寂しい生活だろ」
ひとり?
じゃあ、同棲はしてないんだぁ。

