「どぉした?優海。お前も酔ってんのか?」
「ううん。ごめんなさい。こんな時間にお願いしてしまって」
まともに顔が見られないくらいに、私は片桐さんにまた恋をしている。
そうだ。
だからだ。
無意識のうちに、あきら君を好きになろうとしていたんだ。
逃げようとしたんだ。
あきら君に。
片桐さんをこれ以上好きにならないように、とあきら君を利用しようとしたんだ。
「な~に、言ってんだよ。困ったら俺を呼べばいいんだよ、バカ!」
大きな手で頭をグイっと掴まれた。
片桐さんに会ってから、あきら君と美琴ちゃんのことがどうでも良く思えるのが不思議。
私、何をモヤモヤしていたんだろう。

