1階に降り、いつもおばあちゃんがいるリビングに行く。
「おばあちゃん、ちょっといい?」
「おや、どうかしたのかい?彼氏さんもお帰り?」
ソファに座ってテレビを見ていたおばあちゃんは、やっぱりいつもと変わらない笑顔でこちらを見た。
「実は……」
物置き部屋のことについて聞いてみると、おばあちゃんは少し困ったような顔をした。
するといきなり立ち上がり、棚の上に置いてある自分の鞄から財布を取り出した。
「おばあちゃん…?」
「今日の夕飯に使うお豆腐が調度切らしちゃっててねぇ。春、ちょいとそこのスーパーで買ってきてくれないかい?」
質問には答えず、春の手のひらに財布をのせた。

