「樹里は…すげぇ綺麗だろ。んな悲しいこと言うなよ……」
雨宮さんはあたしを強く強く抱き締めた。
綺麗…?
あたしが?
「な、に…言って……」
「樹里」
ふいに名前を呼ばれ、あたしは彼を見上げる。
「好きだ、樹里。俺の女になってくれ」
偽りのない、真っ直ぐな言葉。
あたしはうっかり泣きそうになった。
彼の熱意が凄く伝わってくるから。
彼が……本気であたしを好きでいてくれているって…分かるから。
「……あんたなら…信じてあげてもいいかもね…」
あたしは雨宮さんにしがみ付いた。
ダメ。
もう……この気持ちを押さえるなんてこと、できない。