あたしが…好き? 雨宮さんが、あたしを? 「な、何言ってんの?つーかこんな所で言うことじゃないでしょ」 「聞け。樹里」 グイッと顎を掴まれ、上を向かされる。 真っ直ぐな綺麗な瞳があたしを見つめる。 ……嫌。 ダメ。 そんな目で見られたら…あたし…… 「か、帰るっ!!」 「は!?おい、樹里!?」 勢い良く立ち上がり、お金だけをテーブルに置く。 あたしはザワザワとうるさい居酒屋を足早に出た。 外に出ると、ひんやりとした空気があたしを包んだ。