――そしてその日の夜。
特に変わったことはなく、訓練を中心とした1日が終わった。
オフィスに戻ると、もうみんな私服に着替えていた。
桐島司令官がみんなに声を掛け、ゾロゾロとオフィスを出る。
あたしも出ようとした。
「樹里ちゃん!一緒に行こ♪♪」
可愛らしい声が聞こえた。
「美月(ミツキ)…うん、いいよ」
彼女の名前は白石美月(シライシミツキ)。
あたしと同じSATの制圧班で、あたしより1つ下の22歳。
見た目は可愛らしい女の子〜って感じなのに…仕事モードに入るとキリッと人格が変わったように勇ましくなる。
そのギャップに惚れている男性隊員はかなりいる。
ま、美月は彼氏なんていらないって考えなんだけどね。
「今日の飲み会、やっぱり他の部署来るみたいだよ!しかも刑事部のSITだよ!?SIT!!」
「SITー?なんでまた……」
「なんかね。SATの隊員と付き合いたいって人がかなりいるみたいでさ。ほら、SATと言えば警視庁のエリートの集まりじゃない?だからだと思う」
美月は苦笑いを溢した。

