「なっ…何すんの!?離して!」




あたしは目の前にいる男をギロッと睨み付ける。




すると雨宮さんはフッと不適な笑みを浮かべた。




「やっと素の樹里が見れたな」




「えっ?」




「さっきまでの樹里は…“偽りの樹里”だろ?」




ズイッと顔を近付けてくる。




「……っ…」




あたしは言葉に詰まる。




なんなの?この男。




あたしの全てを読み取ってるみたいな…




「なぁ、樹里」




雨宮さんがあたしの髪に触れてきた。