「え〜?じゃあ住所教えて?また会いたいし」 はっ。また会いたい? あたしは会いたくねぇんだよ。 「すみません。ちょっと…」 あたしは鞄を掴むと、席を立った。 「樹里?もう帰るの?」 あたしの昔からの親友である繭(マユ)が声を掛けてくる。 「うん。ごめんね?じゃあ」 あたしは足早に居酒屋を出た。 はぁ…… もうウンザリ。 だいたい男なんて無理よ。 信じるとか、いるとか…それ以前に あたしは… 男が怖い。