ごめんなさい。
ワガママばっかり言って。
あたしは心の中でそう彼に謝った。
「――樹里、着いた。」
「あ…うんっ」
あたしはハッとし、急いでシートベルトを外した。
廉は先に車から降り、助手席の扉を開けてくれた。
「ありがと…」
あたしは廉を見上げ、お礼を言う。
「どういたしまして。」
優しく微笑んでくれる彼に、あたしは思わず泣きそうになる。
なんでそんなに優しいの?
あたし…酷いこと、たくさん言ったのに……。
でも、心の片隅ではずっと廉の元へ帰りたいと感じていたあたし。
廉に優しくされて、ホントはすっごく嬉しい……。