「樹里、どこか行きたいとことかあるか?」 「あ…えっと……」 あたしは口ごもる。 ……言わなきゃ。 「廉の部屋に…行きたい……」 小さな声で呟いた。 ウザがられるかな。 別れたくせに今更……って思うかな。 「……分かった。じゃあ俺の部屋行こうか」 廉は優しく微笑み、車を発進させた。