「……っ…」




あたしは思わずビクッと震えてしまった。




「好きだよ、樹里」




「岡田く……」




「好きだ……樹里…樹里…」




岡田くんはあたしの名前を優しく呼びながら、頬を撫でる。




「……お…」




「優真って呼んで…樹里。」




岡田くんはそれだけ言うと、あたしに顔を近付けてきた。




――キスされる。




あたしは…ギュッと強く目を瞑った。




「……んっ…」




初めて…廉以外の男の人とキスをした。




廉以外の人に触れられるという行為に…恐怖を感じた。




「呼んで……樹里」




「……っ…優、真…」

















廉、廉。




心の中では、その名前しか呼んでいなかった。