「……っ…ごめん、廉!あたしやっぱり無理だ…」




「は!?」




あたしはバッと後ろを向く。




「だって……こんなの調子がいいじゃない。あたしばっかり幸せになって…岡田くんは後遺症を背負って生きていくなんて…」




「樹里、それは…」




「あたし…やっぱりもう、廉の所には戻れないよ」




あたしがそう言うと、廉は何も言わなくなった。




そして何を思ったのか、いきなりあたしの肩を掴み、グイッと前を向かせた。




「やっ…なにする……」




「前言撤回だ」




「え…?」




廉はあたしを壁に押し付け、顔を近付けてきた。




「……岡田からお前を奪ってやる。必ずな」




「……っ…!何言って…」




「現に……俺はお前の感じるトコなんか完璧だぜ?」




廉はあたしの背中をツー…となぞってきた。




「ん……」




ゾクリと体が疼く。




思わず声が漏れた。