「……な、に…言って…」




「言葉の通りだよ。あたしと別れて?廉」




あたしは泣かずに言った。




いや……かなり無理矢理だったけど。




みるみるうちに、廉の表情が険しくなっていく。




そして廉はガッ!とあたしの肩を凄い力で掴んだ。




「……っ…!痛っ…」




「……ざけんなよ、お前…何だよ、別れるって…」




廉はカタカタと震えている。




ホントは…その震える体に抱き着きたかった。




“別れるなんて嘘だよ。これからもずっと一緒だよ”




って、笑い合いたかった。




けど…もう、あたしにはそんなことは……きっと許されない。




自分がしたことを償う。




それが……あたしに出来る、岡田くんへの償い。




「お願い…別れて、廉。あたし、もう廉の彼女ではいられないの。……自分がしたことを償わなきゃいけないの……」




「んだよ、それっ!!アイツは許してんだろ!?つーか、だからなんで別れなきゃなんねーんだよ!!」




廉はグッとあたしの肩を握り込む。




あたしだって…別れたくないよ。




いつまでもあなたの傍にいたい。




けど…もう無理だから。




「ごめんね、廉…。あたしがあんな事故起こしちゃったばかりに……こんな結果になっちゃって」




「樹里っ…」




あたしはキュッと唇を噛んだ。