†危険な男†〜甘く苦い恋心〜


「……実は…岡田さんはここに運び込まれて来た時には、既に心破裂を起こしていました。なんとか破れた箇所は縫い合わせました。……けど…絶対と言って良い程、後遺症が残ると思って下さい。」




「……後遺症が…?」




嘘、でしょ…?
岡田くん、後遺症が…。




「はい。胸が苦しくなったり、痛んだり…心破裂は厄介ですので」




あたしは放心状態だった。




ごめん。
ごめんなさい、岡田くん……。


















「――…里……樹里」




しばらく放心状態だったあたし。




廉に肩を揺さぶられて、ハッとする。




「……廉…?岡田くんは…」




「岡田は今、集中治療室にいる。他の皆さんはもう面会した。ほら、行くぞ」




廉はあたしを立たせ、手を握って歩き出そうとする。




「……っ…やっ…!」




あたしは彼に握られた手を振り払ってしまった。




「樹里…?」




廉はゆっくりあたしに近付いてきた。