「どうしよう…あたしのせいで岡田くんが……」




「落ち着け、樹里。これは事故だ。お前のせいなんかじゃない」




「そんなこと言ったって…!!」




「――集合しろ!」




司令官の声が響く。




廉はあたしから素早く離れる。




「樹里、とにかく今は並べ。」




廉はポン、とあたしの肩を叩き、整列した。




あたしはギュッと拳を握る。




「……っ…了、解…」




あたしは震える声で返事をする。




全員が並ぶと、司令官は話し始めた。




「みんな、ご苦労だった。……だが、岡田が負傷した。これから全員で病院に向かうぞ」




司令官は苦しそうな顔をした。




桐島司令官は…いつもそうだ。




普段はクールでカッコ良くキメてるのに、仲間が負傷したりすると心を痛める。




こんな人だから…あたしはついていけるんだ。




「樹里、行くぞ」




廉があたしの隣に立つ。




いつもなら嬉しい筈なのに…今は素直に喜べない。




「……うん」




あたしはそれだけ返事した。