樹里は弱々しく、小さく首を横に振った。




「……イヤ…やめ、ないでっ…」




最後に残っていたであろう、力を出し、俺の首にしがみ付いてくる。




愛しい。




離せない。




俺は……理性を飛ばした。




「…っ、あ…ャ…!」




再び動き出した俺に、樹里はビクンッと体を反応させた。




彼女が身じろぐ度、シーツが乱れていく。




自身を彼女に打ち付ける度、ギシッとベッドが激しく軋む。




冷静になれよ……俺。




俺の律動に揺さぶられる樹里の綺麗な体や、顔を見て……自分にそう言い聞かせた。




「やぁっ…廉…!あたし…変に、なりそ……ンンッ」




「…っ……なれよ。そのまま俺のせいで、おかしくなって…」




俺は締め付けられる自身に、顔を歪めながら囁いた。




樹里の瞳からは溢れる涙は、止まらなくなっていた。




そんな彼女が無性に愛しくなり、ギュッと抱き締める。




ぴったりと密着する汗ばんだ肌が心地よかった。