「……分かった。今すぐにとは言わねぇよ。ゆっくりでいい」
廉はあたしの気持ちを察したのか、そう言ってくれた。
「うん…ごめんね?廉……」
「謝るな。お前は悪くない」
そう優しく囁いて、あたしをギュッと抱き締めてくれる廉が愛しくて。
あたしは泣きそうになる。
「――…今の…どういうこと?」
え?
確かに聞こえた……聞きなれた声。
嘘でしょ?
誰か……嘘だって言って。
そう。
そこにいたのは、紛れもない…
顔を真っ青にしたあたしの母だった。
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