†危険な男†〜甘く苦い恋心〜


「――…っ!きゃあっ!!」




ドサッ!とベッドのスプリングに体が沈む。




見上げれば…義父がいた。




「な、に…して……」




「樹里…お前はいつからそんな生意気な口を叩くようになったんだい?」




義父はあたしの首筋を指でいやらしく撫で回す。




ドクンッ!!




蘇る記憶。




嫌だ、嫌だ。




気持ち悪い、気持ち悪い……!!




「嫌っ!!やめてよっ!!」




「うるさい!黙ってろ!!」




バシッ!と頬を殴られる。




「……っ、た…」




頬がジンジンする。




ううん、今はそんなことはどうだっていい。




反撃しなきゃ!!




――なのに。




体が動かない。




……どうして?なんで?




あたしはただひたすら…涙を流すしかなかった。