「廉……」
「なんだ?」
ソファの上でギュッと抱き締められたまま、あたしは廉の名前を呼んだ。
「お願い……ここで、抱いて…?」
「っ…」
廉はびっくりしたように、あたしを離すと見つめてきた。
あたしは廉の首に手を回し、ギュッと再び抱き着く。
「お願いだから…廉……あたしに…勇気をちょうだい?」
「樹里……」
廉は優しくあたしの背中を撫でた。
今、廉の体温が欲しくて仕方がない。
「さすがに…ここでヤるのはマズイだろ?」
廉はあたしの頭にチュッとキスをする。
「や……お願い、して…」
「樹里、俺の部屋にしよう。俺だって抱きてぇけど…ここにはお前の親もいるだろ?」
「そう、だけど…」
あたしはしょぼんと俯く。

