「……っ…ふ…」
あたしは思わず泣き出してしまった。
廉の腕の温かさに安心して。
廉は何も言わずにあたしの頭を撫でる。
優しく、子供をあやすように。
「ホントはっ…すっごく怖いよ…!義父と2人きりで話すなんて、すごく怖い……!!」
「……あぁ」
「けどっ…話さなきゃ…話さなきゃ……あたしはあたしでいられない!あたしはっ…一生あの過去と付き合っていかなきゃならない……」
「……………」
「あたし…なんであんな奴に出会っちゃったんだろ……あたしの初めては…廉にあげたか……んっ」
いきなり唇を塞がれた。
まるで“それ以上言うな”と言わんばかりに。
「はぁ…んっ…」
強く後頭部を押さえ付けられ、あたしの唇を奪い尽くすように与えられるキス。
あたしは思わず彼の服を握り締めた。
あたしが酸欠になっても、彼はキスを止めようとはしなかった。
ただひたすら……あたしに熱いキスを落としていた。