「……樹里」 「うん……いるよ。」 あたしは震える唇で言った。 怖い。 「――樹里、お前は俺が守る。」 え? あたしはゆっくり顔を上げた。 「確かに…昔はお前を守ってくれるヤツはいなかったかもしれない。……けど…もうお前には守ってくれるヤツがいる。何があってもお前は俺が守る。」 廉は凄く真剣な顔をした。 「……っ、あり…がと…」 あたしは半泣きになりながら、そう呟いた。