――1階。
あたしと廉はなんとか1階に降り、人質のいる場所を探した。
確か…犯人は全員で3人。
残る犯人はあと1人だ。
おそらく……人質の監視をしているんじゃないかと思う。
でも建物内の銃声は聞こえてただろうし、もしかしたらこの中を巡回してるかもしれない。
「樹里、見ろ。あれ」
廉がトントンと肩を叩いてきた。
あたしは廉が指差す先を見た。
――いた。
そこにいたのは…手首をロープで縛られ、拘束されている人質と……ライフルを持った犯人がいた。
「どうする?ここからアイツの腕を狙撃して、身動きを取れなくしようか」
あたしがそう言うと、廉は少し悩み、話し出す。
「分かった。でも絶対に誤射は許されないぞ。人質と犯人の距離が異常なまでに近い」
廉は犯人のいる方向を眺め、顔をしかめた。

