†危険な男†〜甘く苦い恋心〜


『分かった。くれぐれも無茶はしないように。全員生きて帰るぞ」




「了解!」




あたしは無線を切った。




“全員生きて帰る”




司令官の口癖だ。




あたしはそんな司令官だから…ついていけてるんだと思う。




彼は凄く凄く仲間を大事にする。




時には自分を犠牲にしてでも…同じチームの仲間を守ろうとする。



あたしは…そんな彼を心から尊敬している。




「樹里、大丈夫だったか?」




「うん。無茶はしないようにだって」




壁に体を付け、小さな声で話す。




「あとの奴等はおそらく…この奥の部屋にいる。気を付けろよ」




「了解。」




あたしと廉は忍び足で怪しい場所に近付いていった。