きっと敵はもう、すぐそこ。




あたしの直感がそう言ってる。




だからこそ気を付けなきゃいけないのに…廉はお構い無しにズンズンと進んでいく。




「ちょっと、廉。たぶん近くに敵がいるから気を付けて……」




「分かってる。俺はお前より年上だぞ?それくらい、わきまえてるに決まってるだろ。」




廉は偉そうにそう言って、また歩き出す。




はぁ。
顔は美形なのに、こう口が悪いとホント信じられないよね。




あたしを抱いた時は、驚くくらい優しかったくせに。




あたしは心の隅でそう思った。




そんなことを任務中に考えていたバチが当たったのか…




いきなり銃声が響いた。




――バンッ!!




その音はかなり近くに聞こえた。




あたしは素早く前を向き、廉に呼び掛けようとした。

















――なのに。