あたしの名前は、未来と書いてミクと読む。


初めての友達や苗字で呼ぶ友達には、良くミクと読むのかミライと読むのか尋ねられた。


ミライ


いいかも知れない。


「綺麗な響きやし、イメージにも合ってるで」


うんうんと頷く店長。


「いいじゃん、いいじゃん!」


はしゃぐ翼。


そんな二人の言葉が嬉しくて、あたしは大きく頷いた。


「ミライでお願いします」


深々と頭を下げながら、膝の上の拳を、軽く握り締めた。


「よっしゃ、じゃあ今日からミライちゃん頼むで!」


店長の明るい声に、自然と笑みが漏れる。


「はい!」


開店10分前。


数名の女の子達が出勤して来て、スタッフも慌ただしく動きだす中、面接は終了した。